プロ家庭教師のブログ
志村けんさん
私が浜学園に所属していた頃、「先生は、五者であれ」とよく耳にしました。
「教師たるもの学者、役者、医者、易者、芸者のようでなければならない」という意味の言葉です。
当時の私にとって、塾の教壇というのはエンターテイメントの舞台でした。
最高のパフォーマンスのために、自分の授業を、録画してもらい家で検証したものです。
もちろん、それぞれの役割のための勉強はいろいろあるのですが、その中で私が「芸者」の勉強
として注目したのはお笑いでした。
マニアックなところでは、皆さんもよくご存知のシブイ役者になった竹中直人さん、
私が学生時代は、深夜のお笑いタレントでしたね。
独特の空気感でのギャグはめっちゃ面白かったんですよ。
そして、落語も真面目に参考にしました。
今はなき桂枝雀さんがとても勉強になりました。
ご存知の方は、少ないかもしれませんが、
当時(30年くらい前)、英語の落語でアメリカに進出したという画期的な師匠です。
さて、志村けんさんの訃報。
お笑いを勉強の題材と考えていた私にとっては、ショックでした
志村けんといえばドリフターズ。
ドリフターズといえば、8時だよ❗全員集合❗
実はドリフターズは、あのビートルズが来日したときの前座を務めたんですよね。
なにしろ、バンドグループですからね。
しかし、私にとっては、『8時だよ!全員集合』ですね。
子どもの頃、全員集合といえば、お下品番組の代表!!!
しかし、毎週欠かさず見ていました。
荒井注さんに代わり志村けんさん。
しかし、やっぱりなんと言ってもカトちゃんが人気の頃。
わけのわからない新人でした。
その後、ブレイクしたのは、今でもはっきり覚えています。
東村山音頭!
下品な1丁目が最高でした。
テレビの前で涙流して笑い転げたものです。
志村けんさんって、いい歳のとり方されたと思うんですよね。
1丁目の雰囲気と晩年は全然違います。
私、お笑い研究家としての研究データとして、
お笑い芸人で長く活躍できる人って、年齢と共に知的な面がにじみ出てきて、
それがだんだんと広がっていく、という共通点があるんですよね。
タモリさんや所ジョージさん、そして志村けんさんなんて、その典型ですね。
皆さん、もちろん賢い方々だと思いますが、
永く芸能界で生きていくために、いろいろな勉強、努力を重ねてきたのでしょうね。
時代の流れをよみ、謙虚に人と接し、人からいろいろ学び吸収したのでしょう。
だから、いい歳のとり方できるんじゃないかなと思うんです。
晩年が、素敵な芸人の方って憧れます。
さて、私もいよいよ晩年が近付いていますが、、、
私の場合は、若い頃は尖ってたのが、だんだんと社会勉強をして、
自分の未熟さを感じ、だんだんと丸くなるというか、、、大人になるというか、、、
まだ大人になれてないというか、、、、(笑)
複雑な年齢です(笑)
しかし、晩年が、素敵な方というのは、本当に性格が丸いと思うんですよね。
では丸い性格って何なのかな・・・
ふと疑問に思って考えてみました。
丸って、バランスのいい形であり、
そのバランスで他からの力をはねのける強い弾力性を感じ、
それでいて、触れると優しい感触がありそうですよね。
丸い人っていうのは、プロフェッショナルとして経験から得たしっかりとしたポリシーを持ちながら、
若者、未熟者に対して、共感して、彼らの気持ちを認めることができる人なのかなと。
実は自身の若い頃の未熟さを思い起こして、共感しているのかもしれません。
だからこそ、若い人も集まりやすく、慕われる人になるのではないかと。
今どきの、若者はなってない!
とか、
なんでそんなこともわからんのや!
とか、そういう感覚でなく、
俺も若い頃は、そんな感じやったかな~
とか、
俺の若い頃よりはマシかな~
という感じでしょうか。
私も晩年は、志村けんさんのように、物静かに後輩と話せるような雰囲気になりたいと思ってます。
先生の仕事は、晩年でなくとも、超若い人に信頼され、慕われる存在でなくてはいけません。
早く丸くなれるように精進せねばいけませんね。
志村けんさん。また一人、私にとっての先生が亡くなりました。
とても寂しいものです。
ご冥福をお祈りいたします。