プロ家庭教師のブログ
ハナミズキ
以前、伊藤園の「おーいお茶」を飲んでいたら、ラベルにこんな俳句がありまして。
「校舎裏 手紙に添える ハナミズキ」
(沖縄県 原口 弦大 18歳 第29回 伊藤園おーいお茶新俳句大賞 佳作特別賞)
ふと疑問がわいたので、「この手紙とは何でしょう?」と何人かの生徒に質問してみたところ、パッとわかるお子様(たいていニヤリとしますね(^^))と、全然イメージできないお子様に分かれました。やはり、国語が苦手なお子様には難しかったようです。中には「え、鼻水つけるの?」と聞き返してきたお子様も……。
さて、なぜ分かる子は一瞬で分かってしまうのでしょう?
(こういう俳句を解説するなんて野暮の極みですが……。)
まず手がかりになるのは「校舎裏」です。ここから、こっそりと渡す種類の手紙だと想像がつきます。
しかしこれではケンカの果たし状かもしれません!
もう一つの手がかりは「ハナミズキ」です。花を添えて、こっそりと相手に渡そうとする手紙と言えば……連想できる答えは一つしかありません!
俳句を読んだとき、私たちはこういう作業を瞬間的にアタマの中でしているのですね。だから、パッと「ラブレター」だと分かる。
とすると、答えが分からない原因は、
①「校舎裏」という言葉からイメージを連想できない。
②「ハナミズキ」が花の名前だと分からない。どんな花かも分からない。
③ ラブレターが思いつかない。
こんなところではないでしょうか。
実は国語の文章、特に随筆や物語を読むときは、こういった「連想」がものすごく大切なのです。経験や知識をもとに言葉から連想をふくらませるのですね。逆に言うと「経験や知識」が乏しいと、連想できるイメージも乏しくなるのです。ですから(国語の勉強のために、というわけではありませんが)普段から日常の様々なことがらをアタマの中の引き出しに入れておいてほしいと思います。
今、ちょうどハナミズキが満開です。残念ながら、気軽に外出することもままならない時期ではありますが、もし見かけることがありましたら、話題にしてみてはいかがでしょうか?