プロ家庭教師のブログ

緊張への対処法(後編)

前編では、緊張への対処法として、「感情と行動の分離」が大切だということをお伝えしました。今回はそれを踏まえた上で、緊張しているお子様への声かけを具体的に考えたいと思います。

最初のステップは、緊張が悪いことではないと教えてあげることです。

「緊張は悪いことではないから、もし緊張していたら、遠慮なく教えてね。」

と、ざっくばらんに話ができる雰囲気作りからはじめてみませんか。

ただ、客観的に見ると明らかに緊張しているのに、なかなか自分の気持ち言い出せないお子様もいらっしゃると思います。そのような場合には、保護者のみなさまの体験談を話してあげるのはいかがでしょう。

「お母さんも、中学(高校・大学)受験の時はとても緊張したのよ。」

とご自身の経験を伝えることで、お子様が、緊張しているのは自分だけではないのだと安心して、本音を打ち明けてくれるかもしれません。このように、まずはお子様自身が自分の感情にフタをせずに、それをしっかり認識・表現できるようにしたいですね。

次のステップは、緊張していてもうまくいった経験を思い出させてあげることです。

「あなた○○の発表会のとき、足が震えるほど緊張していたけど、完璧にできたじゃない。だから受験も大丈夫よ。」

といった感じです。「感情と行動の分離」で、緊張とその後の結果には直接的な関係はないと考えていますが、せっかくですから、緊張と成功を結びつけ、緊張も前向きに受け止めるようにしておいて損はないと思います。

そして、最後のステップは、緊張した状態のままでも勉強に取り組めるよう、応援をすることです。

「緊張するよね。でも緊張したままで大丈夫。あなたなら頑張れると信じているからね。」

何も心配いらないのよというオーラを出して、お子様の背中を押してあげてください。

と、ここまでは緊張しているお子様への声かけを考えてきました。しかし、肝心なことをまだお伝えしていませんでした。そうです、保護者のみなさまの緊張・不安はどうするのか?という問題です。

受験のことをあれこれ考えると胃が痛む、食事も喉を通らない、夜も眠れない、などなど、もしかするとお子様以上に保護者のみなさまが緊張や不安を感じていらっしゃるかもしれません。そんな時には、是非、われわれ家庭教師、あるいは塾の先生に不安な気持ち、心配事を吐露していただければと思います。もちろん保護者のみなさまの緊張や不安も悪いことではありません。しかし、ご家庭内でお子様の気持ちを受け入れる余裕を作るためにも、できるだけ保護者のみなさまの緊張はお子様の前では見せないでおくことが重要だと思います。

そうして、ある程度気持ちを落ち着かせたら、保護者のみなさまの素晴らしい演技力を発揮してください。たとえ、不安で不安で仕方なかったとしても、お子様の前では普段と変わらず、泰然自若!
のフリをしておきましょう。

お子様が緊張の中でも安心して穏やかに本番の日を迎えられることを祈っております。