プロ家庭教師のブログ

内田樹先生の言葉

私が敬愛する思想家・内田樹さんのブログを見ていましたら、新刊についての新聞社からの質問に答える記事の中で、こんな文章がありました。

いま、日本の教育界にとって喫緊の課題は何だと思われますか。

子どもたちがゆっくりと自分のペースで成熟できるように、親も教師も浮足立たないことでしょう。教育の要諦は忍耐と楽観です。周りが前のめりになって子どもに「適性」や「自分らしさ」を押し付けるせいで子どもたちは小さく固まって、息が浅くなっています。豊かな「未決状態」の中で子どもが自然に熟成してゆくのを待つ覚悟が親や教師の側に必要だと思います。

内田樹『内田樹の研究室』2020.03.03

もちろん、お子様が置かれた状況はそれぞれですから、みんながみんな「小さく固まって」いるわけではないでしょう。。

私がドキリとしたのは、「子どもが自然に熟成してゆくのを待つ覚悟」が必要だというところです。

家庭教師の仕事には、当然のことながら締め切り=受験があります。ですからどうしても、お子様の学力が伸びるように急いでしまうことがあるのです。といっても、国語はそう簡単に伸びるものではありませんが。

でも、結局のところ、周囲が子どもたちを「成熟」させることはできません。子ども自身が「自分のペース」で「成熟」していくものなのですね。大人にできることは、環境をととのえ、適切な手助けをすること。「学び」に対する真摯な姿勢を見せること。そして「浮き足立」たず「楽観」的に、しかし「覚悟」を持ってじっくり待つこと……。

お子様との関わり方を、改めて考えてみたいと思います。